会社設立 印鑑 種類の全体像|代表者印・銀行印・角印・ゴム印を「届出」と「出番」で分ける

この記事で扱う印鑑
- 代表者印
- 銀行印
- 角印
- ゴム印
- 「3本セット」「4本セット」「5種類」と数え方が違い、結局どれが会社設立 印鑑 種類の正解なのか迷っている人
- 法人の印鑑のうち、法務局に出すものと出さないものの境目を一度で整理したい人
- 銀行印・角印・ゴム印をそれぞれ詳しく読む前に、全体の地図を手に入れたい人
種類の分類を先に固め、後半で各印の記事とほかの分類へ案内します。
会社設立 印鑑 種類で検索すると、解説ごとに数が違います。代表者印・銀行印・角印の3本とする記事があり、ゴム印を足して4本とする記事があり、認印まで含めて5種類とするものもあります。どれかが間違っているのではなく、「どこまでを会社の印鑑と数えるか」の線の引き方が違うだけです。
線の引き方を固定する手がかりは、一つしかありません。どこに届け出る印かです。法務局、金融機関、どこにも出さない日常用。この切り口なら、数え方が違う解説を読んでも迷いません。本記事は、種類を扱うカテゴリー全体の入口として、四つの印を同じ物差しで並べます。
第一項「種類」を調べる前に、用語を分けて読む

会社の印鑑まわりは、同じものに別の名前が付いていて、そこで最初につまずきます。法務局に提出した丸い印は、代表者印、会社実印、法人実印、丸印などと呼ばれ、提出済みであることを強調するときは届出印とも言います。ただし銀行に届けた印も「届出印」と呼ぶため、文脈で「どこへの届出か」を読む必要があります。
もう一組の混同は、「印鑑」「印章」「印影」です。はんこの本体が印章、紙に残った跡が印影で、「印鑑」は本来、役所や銀行に届けて控えを残した印影を指す言葉でした。いまは日常会話で印章の意味にも使われます。本記事も、会社の印の意味で「印鑑」と書き、厳密に区別したいところだけ印章・印影を使います。
- 代表者印(会社実印)
- 法務局に提出する丸い印。法人の印鑑証明書の元になる
- 銀行印
- 金融機関に届ける印。法務局への届出とは別の手続き
- 角印(社印)
- 社名を彫った四角い印。届出をしない日常用
- ゴム印(住所印)
- 社名や住所を押す記名用。届出をしない
丸いか四角いかは形の話であって、実印かどうかを決めるものではありません。丸い銀行印もあれば、四角い印を銀行へ届ける会社もあります。見た目で判断せず、「どこに届け出たか」で呼び分けるのが安全です。代表者印と個人の実印の違いは、会社設立 印鑑 実印の分類で扱っています。
※1出典:弥生株式会社「法人登記に必要な印鑑の種類は?作っておくべき会社の実印を解説」(弥生株式会社・確認日 2026年10月23日)
第二項法務局に届け出る印鑑は代表者印だけ

会社設立 印鑑 種類のなかで、法令にもとづいて法務局へ提出する対象になるのは代表者印だけです。銀行印・角印・ゴム印は、法務局とは関係のない任意の印鑑になります。ここを混ぜてしまうと、「法人の印鑑は全部登録が必要」とも「会社設立に印鑑は不要」とも読めてしまいます。どちらも正確ではありません。
法務省は、オンライン申請と印鑑の提出について次のように案内しています(2026年10月23日に確認)。
令和3年2月15日から、登記の申請をオンラインで行う場合は、印鑑の提出が任意になりますが、代表者の印鑑証明書が必要などの理由で印鑑を提出される場合には、オンラインによる登記の申請と同時に行う場合に限り、オンラインにより行うことができるようになりました。
ポイントは条件つきだということです。オンラインで申請するなら提出は任意ですが、書面で申請する場合や、代理人に紙の委任状を持たせる場合は、従来どおり書面での印鑑の提出が要ります。さらに、法人の印鑑証明書を取りたければ、印鑑を提出していることが前提になります。「任意」の意味は、「作らなくてよい」ではなく「出す・出さないを選べる」です。
提出する印鑑の大きさにも決まりがあります。商業登記規則は、1辺が1センチメートルの正方形に収まる印も、1辺が3センチメートルの正方形に収まらない印も認めていません。条文の形や書体の指定はなく、「照合に適するもの」であることが求められます。サイズの読み方は会社設立 印鑑 サイズの分類にまとめました。
なお、定款や登記申請書へ押す印鑑の書き方は、会社設立の手続き全体を扱うサイトの担当テーマです(登記・定款の書き方)。ここでは、印の種類を決める話に絞ります。
※2出典:法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)」(法務省・確認日 2026年10月23日)
第三項会社設立 印鑑 種類を一覧に|届出先・出番・本数のめやす

届出先で切り分けたうえで、四つの印を一枚に並べます。数字で決まっているのは代表者印の届出の扱いだけで、ほかは会社の運用です。

よく目にする「3本セット」は代表者印・銀行印・角印、「4本セット」はそこにゴム印を足した構成が多く、4本目の中身は販売側で違うこともあります。種類が増えるほど管理の手間も増えるので、「全部そろえる」ではなく「出番がある印だけ作る」が基本線です。種類の役割を一つずつ掘り下げた記事は、会社設立で作る印鑑の種類です。
何本そろえるかは、一人会社なのか、従業員がいるのか、契約を電子で済ませるのかで変わります。本数の決め方は会社設立 印鑑 何本、セット商品の見方は会社設立 印鑑 セットに分けました。本記事では、本数を決める前の「種類の理解」までを受け持ちます。
※3出典:税理士法人ベンチャーサポート「法人印とは?印鑑の種類や会社での使い分け・それぞれの役割の違いを解説」(ベンチャーサポート税理士法人・確認日 2026年10月23日)
第四項銀行印|代表者印と分けるか、兼ねるか

銀行印は、法人口座を開くときに金融機関へ届ける印鑑です。届出先は法務局ではないので、代表者印のサイズ規定をそのまま当てはめる必要はなく、受け付ける条件は金融機関ごとに決まっています。口座の商品によっては、印鑑の届出自体が要らないものもあります。
JETROの案内には、銀行印は専門店で銀行取引用のものを求めるとしつつ、印鑑登録した印章を銀行印として流用することも通常は可能、という趣旨の記載があります。つまり兼用は不可能ではありません。ただ、兼ねた1本をなくすと、法務局と金融機関の両方で届出をやり直す羽目になります。

分けるなら、見分けやすさも考えます。同じ大きさ、同じ書体の丸い印が並ぶと、引き出しのなかで取り違えます。印面に「銀行之印」と入れる、直径を変えるなど、ひと目で区別できる形にしておくと窓口での押し間違いが減ります。
分ける理由と作る順番は会社設立で作る銀行印、印面や素材の決め方と代表者交代時の届出印は銀行印を長く使う決め方で詳しく書いています。
※4出典:JETRO「Section 1. 登記(参考情報)」法人口座開設(日本貿易振興機構(JETRO)・確認日 2026年10月23日)
第五項角印|請求書や見積書に押す四角い印の位置づけ

角印は、社名を四角い印面に彫った会社の印で、社印、会社印とも呼ばれます。通常は法務局にも金融機関にも届け出ず、請求書・見積書・納品書など、会社の外へ出す書類に「この会社が出したものだ」と示すために押されてきました。代表者印に比べて持ち出す頻度が高く、その分、押す人も増えます。
ここで勘違いしやすいのが、角印を押せば書類の効力が強まる、という見方です。内閣府・法務省・経済産業省の押印についてのQ&Aは、法令に特別の定めがある場合を除き、押印がなくても契約の効力に影響は生じないとしています。角印は、受け取った側が発行元を確かめやすくするための慣習的な印、と捉えるのが実態に近いでしょう。
一方で、取引先から「角印を押してほしい」と頼まれる場面は現実にあります。法的な必須ではなくても、相手の社内手続きが角印を前提にしていることがあるためです。作るか作らないかは、自社の発行物と取引先の運用を見て決めることになります。
- 紙の請求書・見積書を出すことが多い会社は、角印の出番が多い
- 書類を電子データで送る会社は、角印の画像の扱いを別に決める必要がある
- 彫る文字、大きさ、書体は会社が自由に決められるが、代表者印と見分けがつく形が無難
請求書・契約書・領収書のどれに角印を使うかは会社設立 印鑑 使い分けへ。角印そのものの記事は、角印と代表者印の使い分けと角印を作るときの決めごとです。
※5出典:内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)(内閣府・確認日 2026年10月23日)
第六項ゴム印・住所印|押すというより「書く代わり」の道具

ゴム印は、社名・本店所在地・電話番号・代表者名などを彫ったスタンプで、住所印とも呼ばれます。申込書や封筒の差出人欄など、会社の名前と住所を何度も書く場面で、手書きの代わりに使います。法務局にも金融機関にも届け出ず、種類のなかでは最も「道具」に近い存在です。
ここで見分けたいのは、ゴム印が「会社の意思を示す印」ではなく「記名の省力化」だという点です。記名欄にゴム印で社名と住所を押し、その横に角印や代表者印を押す、という組み合わせがよく見られます。単独で押しても、押印の役目は果たしません。
もう一つの注意は、本店を移したり代表者が替わったりすれば、彫り直しになることです。会社設立の直後は、社名と本店住所だけの基本形を1本作り、事業所が増えた段階で足す、という割り切りもあります。項目の入れ方はゴム印・住所印の基本、大きさや縦横の決め方と作り直しはゴム印・住所印の決め方で扱っています。
※6出典:シヤチハタ公式メディア「住所印(住所スタンプ)とは?活用のメリットと作成のポイント」(シヤチハタ株式会社・確認日 2026年10月23日)
第七項種類ごとの使い分け|どの書類にどの印を押すか

種類を知っても、書類を前にすると「この印でいいのか」と手が止まります。迷いを減らす近道は、書類を重さで三つに分けることです。会社の意思決定や大きな金額に関わるもの、日常の取引で外に出すもの、住所や名前を書くだけのもの。それぞれに、代表者印、角印、ゴム印を当てはめると、おおよその対応が見えます。

この表はあくまで目安です。会社によって、承認する人も、保管する場所も、押す書類の線引きも違います。大事なのは、種類ごとの出番を社内で言葉にしておくことです。出番を決めておけば、誰が見ても同じ判断ができ、代表者印の持ち出しも減らせます。
なお、電子契約を中心にする会社では、画像の電子印鑑と、電子署名法にもとづく電子署名は別のものとして区別します。画像を貼ることと、署名を付けることは同じではありません。この違いは使い分けの分類の記事で整理しました。代表者印と個人の実印をどう分けるか、紛失した場合の考え方は実印の分類へ進んでください。
※7出典:弥生「請求書に印鑑は必要?角印と代表印の違いや使用する印章の種類を解説」(弥生株式会社・確認日 2026年10月23日)
第八項書体・本数・セット|種類が決まってから選ぶこと

会社設立 印鑑 種類のあとに残るのは、「どの書体で」「何本」「セットか単品か」という選び方です。順番を間違えると、セットの商品名に引っ張られて、要らない印まで注文してしまいます。種類の理解が先、見た目と買い方はその次、と覚えておくと遠回りが減ります。
書体は、読みやすさと照合のしやすさの両方が関わります。代表者印には「照合に適するもの」という条件があるため、極端に読みにくい書体は避けたほうが無難です。篆書体がよく選ばれる背景、代表者印・銀行印・角印で選ぶ観点の違いは会社設立 印鑑 書体の分類にまとめています。縁起や開運をうたう印は、効果を断定できないため、事実の部分だけを書いています。
手順 1
種類を決める
代表者印は必須の可能性が高い。銀行印・角印・ゴム印は出番があるものだけ
手順 4
書体・素材・大きさを決める
代表者印は規則の範囲で。ほかは会社の運用で
値段は素材やサイズ、手彫りか機械彫りかで変わり、相場の幅は前提条件とセットで見る必要があります。金額の考え方は会社設立 印鑑 相場で書いています。特定の店や通販の比較は、このサイトでは行いません。
※8出典:シヤチハタ「こだわりの素材と技術:印鑑特集」書体の説明(シヤチハタ・確認日 2026年10月23日)
第九項まとめ|会社設立 印鑑 種類は「届出先」で切り分ける

会社設立 印鑑 種類は、解説ごとに数え方が違っても、届出先という一本の物差しを当てれば整理できます。法務局に提出するのは代表者印だけ。銀行印は金融機関、角印とゴム印は届出をしない日常用です。オンラインで登記を申請する場合は提出が任意になる一方、書面申請や紙の委任状、法人の印鑑証明書が絡むと提出が必要になります。
- 代表者印(会社実印):法務局に提出する。大きさは1cmを超え3cm以内の正方形に収まる範囲
- 銀行印:金融機関に届ける。代表者印と分けると、紛失時の影響が片方で済む
- 角印:届出なし。押印の有無で効力が決まるわけではなく、発行元を示す慣習の印
- ゴム印・住所印:届出なし。記名の省力化で、照合される用途には向かない
この記事を入口にして、気になる印から個別の記事へ進めます。銀行印は分ける理由、角印は使い分け、ゴム印は住所印の基本、全体の役割は種類と役割が受け持ちます。
制度や手数料は変わります。この記事は2026年10月23日時点の整理です。最終的な要否の判断は、法務局や司法書士などの専門家、取引する金融機関に確認してください。
※9出典:法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」(法務局・確認日 2026年10月23日)
四つの印に、それぞれ一行ずつ出番を書いてみてください
代表者印は何のために、銀行印はどの口座のために、角印はどの書類のために、ゴム印はどの記名のために。一行ずつ書いて空欄が残る印は、いま急いで作らなくても間に合うかもしれません。逆にすぐ書ける印から用意していけば、会社設立の準備が一歩ずつ形になっていきます。
