会社設立 印鑑 カードの全体像|法人の印鑑カード交付申請書・使い方・再発行・カードなしの疑問を整理

この記事で扱う印鑑
- 印鑑カード
- 代表者印
- 印鑑届書
- 印鑑証明書
- 会社設立の登記が終わり、窓口で交付申請書を渡され、何を書くのか手が止まっている創業者
- 法人の印鑑証明書が必要になったが、カードの所在がわからない経理・総務の担当者
- 「印鑑カードなしでも取れる」という話を耳にして、本当かどうか確かめたい人
代表者印(会社実印・届出印)をどう作り、どう届け出るかは、別のカテゴリーで扱っています。このページでは、届け出たあとに受け取る印鑑カードだけを追います。
最初に言葉の整理です。登記所へ届ける会社の印は、代表者印と呼ばれ、届け出ると会社実印や届出印という呼び名もつきます。道具としてのはんこが印章、紙に残った跡が印影です。法律上の届出の対象になるのは代表者印だけで、銀行印・角印・ゴム印は会社が任意に用意するものでした。印鑑カードは、このうち代表者印の届出にひもづく、別立てのカードです。
会社設立の登記が済んで印鑑を届け出ると、気持ちとしては手続きが一段落します。ところが、法人の印鑑証明書を取ろうとした日に「カードはお持ちですか」と窓口で聞かれ、交付が届出とは別の申請だったと初めて知る、という場面に出会います。このページは、会社設立と印鑑カードの接点を、一本の道筋として見渡すための親記事です。
第一項会社設立 印鑑 カードとは:届出印との関係と、カードの役割

印鑑カードは、法人の印鑑証明書を請求するときに登記所へ示すカードです。法務省の案内には、次のように書かれています。
印鑑証明書の交付を請求するには,事前に印鑑カードの交付を受ける要ります。
ここで押さえたいのは、カードと印章は別物だという点です。届出印は押す側の道具、カードは請求する側の通行証にあたります。カードを持っていても代表者印の届出がなければ意味がなく、届出をしていてもカードの交付を受けていなければ、証明書の請求は進みません。会社設立の手順書で「印鑑を届け出る」と「カードをもらう」が別の項目になっているのは、そのためです。
カードの現物は、印鑑カードである旨と印鑑カード番号が記載された、磁気帯つきのものです(商業登記規則9条の5第1項)。名義は個人ではなく、届け出た会社と代表者の側にひもづきます。作りたてのカードを前に、いきなり財布へ入れる人もいますが、持ち歩く物ではない、という位置づけは後の章で改めて触れます。
設立登記の依頼先がある会社では、書類一式と一緒にカードが手元に届くこともあれば、届出だけ済んでカードは未申請のまま、ということもあります。依頼した側がどちらなのか、受け取った封筒を開けて確かめるところから始めてください。番号を控えておけば、なくしたときの手続きで助けになります。
- 印鑑(代表者印)
- 登記所に届け出る会社の印。会社実印・届出印とも呼ぶ
- 印鑑カード
- 届け出た印鑑について、印鑑証明書を請求する際に示すカード
- 印鑑証明書
- 届け出た印影が登記所の控えと同じだと示す書面
三つの関係をたどると、会社設立の印鑑は「作る、届ける、カードを受ける、証明書を取る」というひとつながりの道になります。届出の段階が気になる人は会社設立 印鑑 登録、代表者印そのものの疑問は会社設立 印鑑 実印のカテゴリーへどうぞ。
※1出典:法務省「会社・法人の登記事項証明書等を請求される方へ」(法務省・確認日 2026年10月23日)
第二項印鑑カード交付申請書:記入のしかたと「押す印鑑」

法務局の様式は「印鑑カード交付申請書」という名前で、乙号・9の番号がついています。記載例とあわせて見ると、記入欄は多くありません。いちばん迷うのは押印欄です。様式の注意書きには、こうあります。
押印欄には、登記所に提出した印鑑を押印してください。
要するに、会社設立のときに印鑑届書へ押した代表者印と、同じ印を押します。新品のはんこの試し押しや、銀行印、角印では代用できません。印を作り直した直後の申請なら、どの印影が登記所に出ているのかを先に調べておくと、押し直しの手間を避けられます。
代理人が出す場合は、様式の注記のとおり、代理人の住所・氏名を書き、委任状にも所要事項を書いて、登記所に提出した印鑑を押します。記入例の読み方、委任状の文例まで追いたいときは、子記事の会社設立後の印鑑カード交付|申請書の書き方・押す印鑑・代理人の委任状が詳しい内容です。

※2出典:法務局「印鑑カード交付申請書」記載例(PDF)(法務局・確認日 2026年10月23日)
第三項印鑑カードの発行までの順番:届出、申請、受け取り

「印鑑カード発行」と検索する人の関心は、たいてい、いつ手に入るかにあります。条文の側から見ると、順番ははっきりしています。商業登記規則9条の4第1項は、印鑑の提出をした者が、その印鑑を明らかにしたうえで書面を出し、カードの交付を請求できるとしています。先に印鑑の提出があり、その後にカードの請求がある、という並びです。
印鑑の提出をした者は、その印鑑を明らかにした上、被証明事項のほか、氏名、住所、年月日及び登記所の表示を記載した書面を提出して、印鑑カードの交付を請求することができる。
実務では、登記の完了後に法務局へ出向き、登記事項証明書や印鑑証明書の請求と同じ日にカードの申請も済ませる人が目立ちます。登記が完了する日は申請の方法や混み具合で変わり、カードを受け取れる日の目安を示した公的な文言は確認できていません。日数は書かず、段取りは管轄の法務局への電話一本から始めてください。

登記をネットで出した会社は、印鑑の提出そのものが任意になっているので、届出を後回しにした場合はカードの交付も後回しになります。言い換えれば、カードの話は「印鑑を届け出た会社だけのもの」です。オンライン申請で届出を見送った会社が、あとから法人の印鑑証明書が必要になったときの動き方は、オンライン申請で印鑑を届け出なかった会社への記事が扱っています。
送付を求める場合の費用は、規則9条の4第4項に「送付に要する費用を納付しなければならない」とあります。窓口受け取りなら、この費用は発生しません。設立直後で法務局へ行く余裕がないときだけ、郵送の可否と費用を、先に管轄の登記所へ尋ねてください。
※3出典:e-Gov法令検索「商業登記規則」(昭和三十九年法務省令第二十三号)(デジタル庁(e-Gov)・確認日 2026年10月23日)
第四項法務局での印鑑カードの使い方:窓口・郵送・請求機・オンライン

カードの使い方は、印鑑証明書をどの方法で請求するかで形が変わります。共通するのは、どの方法でも登記所へカードの情報を伝える必要がある、という点です。法務省が案内している方法ごとに、何が書かれているかを並べます。
| 請求の方法 | カードの扱い | 確認できた文言の出どころ |
|---|---|---|
| 窓口に出向く | 交付申請書にカードを添えて出す | 法務局の様式・案内 |
| 郵送で請求する | カードも同封する。返信用封筒に切手を貼る | 法務省・熊本地方法務局 |
| 証明書発行請求機 | 端末にカードを挿入し、生年月日を入力する | 法務省の請求機の案内 |
| オンラインで請求し、窓口で受け取る | 受け取りの際に窓口でカードを示す | 法務局の案内 |
請求機の案内には「この端末に印鑑カードを挿入し生年月日を入力する要ります」とあり、郵送についても「その場合でも,印鑑カードの提出が必要です」と書かれています。オンライン請求で窓口受取を選ぶ場合は、法務局の案内で「印鑑証明書を受け取る際には、必ず印鑑カードを窓口で提示してください」と強調されています。
請求できるのは、法務局に印鑑を提出している方とその代理人です。窓口に行くのが本人でなくても、手続きは進められますが、カードを預ける相手と預ける期間は、会社の中で決めてから渡してください。法人の印鑑証明書の取り方そのものは、会社設立 印鑑 証明のカテゴリーに、手数料や有効期間の話も含めてまとまっています。
カードを預けるときの考え方
経理担当者や司法書士にカードを渡すなら、代表者印とは別々に管理し、返してもらう日を決めておくほうが失敗しません。両方が同じ手に渡ると、会社の印と証明書の請求手段を一人が握る形になります。保管場所の具体策は会社設立後の印鑑ケースと保管場所の記事に譲ります。
※4出典:法務省「証明書発行請求機 登記事項証明書等の請求の流れ」(PDF)(法務省・確認日 2026年10月23日)
第五項印鑑カードなしで法人の印鑑証明書は取れるか

「法人印鑑証明 印鑑カード なし」という検索が出るのは、設立から日が経ち、カードの所在がわからなくなった人が多いからだと思います。確認できた範囲の公式な説明は、はっきりしています。盛岡地方法務局のページには、次のようにあります。
法務局に印鑑を提出している方及びその代理人に限られます。請求する際は、印鑑カードが必要です。
窓口、郵送、請求機のいずれの案内でも、カードを使う前提で説明が組まれています。だから「カードなしでも取れる」と言い切れる公式の文言は、確認した範囲では見つかっていません。逆に、見つからないからといって、すべての場合にカードなしでは取れないと断言するのも言い過ぎです。取得できるかどうかは、窓口で個別に確認する話になります。
カードをなくしたと気づいたら、まず再交付の手続きを疑います。内容は次の章で。具体的な状況別の考え方、たとえば「カードも会社の印も見当たらない」場合などは、印鑑カードなしで証明書は取れるかで個別に扱う予定の論点です。
※5出典:盛岡地方法務局「会社・法人の印鑑証明書」(法務局・確認日 2026年10月23日)
第六項「再発行」「紛失」と言われる手続きの中身

検索では「再発行」と書かれますが、法務局の言葉づかいでは、紛失したカードの廃止の届出と、新しいカードの交付の請求の二本立てです。法務局の質問と回答には、こう載っています。
印鑑カードを紛失した場合には、当該印鑑カードの廃止の届出及び新たな印鑑カードの交付の請求をすることができます。
廃止の届出に使うのは「印鑑・印鑑カード廃止届書」、新しいカードの請求には先ほどの交付申請書です。どちらにも、登記所に提出した印鑑を押します。カードだけでなく会社の印もなくした場合は、改印の届出とあわせて出す流れが、同じ回答に示されています。
一方、カードの磁気が読み取れなくなった場合は、交付請求書等の様式のページに「印鑑カード受領書(磁気不良により再交付を求める場合に限る。)」という項目があります。紛失と磁気不良では、出す書類が違います。

手順の細部は、子記事の交付後の印鑑カード|保管のしかた・磁気不良の再交付・紛失と代表者交代の引継ぎに任せます。会社の印をなくした日の動き方や管理のルールは実印のカテゴリー、改印届の書き方は登録のカテゴリーが受け持っています。
※6出典:法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」(法務局・確認日 2026年10月23日)
第七項印鑑カードの交付に手数料はかかるのか:確認できたことと、できなかったこと

民間の解説ページには「無料」と書いてあるものも見かけます。ただ、この記事では、手数料の有無を断定しません。確認できたのは、次の二点までです。法務省と法務局の手数料の一覧に、印鑑カードの交付そのものの項目は載っていないこと。送付を求めたときは、規則に定められた送付の費用が別にかかること。この二点です。
「かからない」と明言する公式の文言までは確かめられていないので、申請の前に管轄の法務局へ聞くのが早道です。お金の話は、カードの発行と証明書の請求を切り離して見ます。
| 項目 | 確認できた金額・扱い | 前提 |
|---|---|---|
| 印鑑カードの交付 | 手数料の項目は、一覧に載っていない | 送付を求める場合は別に送付費用 |
| 印鑑証明書(書面請求) | 1通500円 | 令和7年4月1日以降の手数料。窓口・郵送 |
| 印鑑証明書(オンライン請求・送付) | 1通450円 | 同上。郵送で受け取る場合 |
| 印鑑証明書(オンライン請求・窓口交付) | 1通420円 | 同上。窓口で受け取る場合 |
会社設立の費用全体の中でカード周りが占める割合は小さく、気にする価値があるのは、証明書を何通取るかのほうです。設立費用の全体像は別の分野の話なので、深追いしません。
※7出典:法務省「登記手数料について」(法務省・確認日 2026年10月23日)
第八項まとめ|会社設立 印鑑 カードで迷ったときの読む順番

ここまでの要点を、短くそろえます。印鑑カードは、代表者印を届け出た会社が、法人の印鑑証明書を請求するときに示すカードです。申請書に押すのは登記所に提出した印鑑で、代理人には委任状が要ります。請求の方法が変わっても、カードを使う前提の案内が続いていました。
- 申請書に押す印鑑は、届け出た代表者印。銀行印・角印では代用しない
- 「再発行」の中身は、紛失なら廃止届と新規交付、磁気不良なら受領書を添えた再交付
- 手数料の有無は断定できない。証明書は1通420〜500円(請求方法と前提による)
- カードなしの可否は、公式の文言では確認できていない。窓口で個別に確かめる
読む順番に迷ったら、まず申請書の書き方をまとめた交付申請の記事、そのあとに保管と再交付の記事、カードを持っていない状況はカードなしの記事へ進んでください。届け出ること自体の要否が気になる方は、会社設立 印鑑 必要の入口から。
手続きは改正で動きます。ここに書いたのは2026年10月23日に読んだ公式ページの内容です。実際に動く前に、法務局の最新案内を開き、迷う点は司法書士に尋ねてください。
※8出典:法務局「印鑑・印鑑カード廃止届書」様式(PDF)(法務局・確認日 2026年10月23日)
カードの所在を、今日のうちに一度覗いてみてください
会社の引き出しを開けて、印鑑カードがどこにあるか、番号を控えた人がいるか、代表者印と同じ場所に入っていないかを見てみてください。法人の印鑑証明書が必要になる日は、たいてい急に来ます。確かめた結果が「ある」でも「ない」でも、次に読むページはもう決まっています。カードがあれば保管のしかた、なければ再交付の手順です。
