会社設立後の法人印鑑証明書|窓口・郵送・オンラインの取得方法と準備

この記事で扱う印鑑
- 印鑑証明書
- 印鑑カード
- 代表者印
初めて会社の証明書を頼まれた担当者へ
- 設立登記は終わったが、証明書をどこへ請求するか分からない
- 印鑑カードと会社実印のどちらを持参するか整理したい
- 郵送とオンラインの準備・受取方法を比較して決めたい
「法人の印鑑証明書を提出してください」と言われたら、最初の確認点は、自社の印影が届出済みかどうかです。会社設立の登記、印影の届出、証明書の交付は、それぞれ別の手続きです。登記完了の連絡を受けた後、必要な証明書を別途取り寄せます。
ここでいう印章は押す道具、印影は紙に残る跡です。日常語の印鑑も用いながら、法務局に届けた代表者印を会社実印・届出印として扱います。銀行印、角印、ゴム印は任意に用意するもので、それらをまとめて法務局の証明対象にする仕組みとは区別します。
オンライン登記では印鑑を提出しない選択ができます。ただし、紙の申請書や紙の委任状を使う代理申請などでは提出を要します。以下では会社設立を終えた後、届出済みの印鑑について証明を請求する場面を中心に扱います。
参照資料:法務省「商業登記規則が改正され,オンライン申請がより便利になりました(令和3年2月15日から)」 / 法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)」
最初に確認するのは「誰の、どの証明書か」

印鑑証明書は、登記所へ提出された印鑑についての証明です。会社の所在地や代表者などを登記記録から確認する登記事項証明書とは、請求する書類の種類が違います。提出先から「会社の証明書」とだけ言われた場合は、正式な書類名を聞いてから手配します。
会社設立で使った書類の束から、代表者の個人用証明書が出てくるかもしれません。個人の印鑑証明は市区町村の制度であり、法人の印鑑証明書とは別物です。個人用の準備の詳しい説明は、必要書類を扱うサイトの担当範囲です。
- 登記事項証明書
- 法人の登記記録を確認するための書類。印影を証明するものとは用途を分ける
- 法人の印鑑証明書
- 登記所へ届けた会社代表者等の印鑑について請求する書類
- 印鑑カード
- 証明書の書面請求などに使うカード。証明書そのものではない
法務省のQ&Aは、登記事項証明書の請求と印鑑証明書の請求で、請求できる人の範囲も区別しています。会社の名称さえ分かれば、無関係な人がその印鑑証明書を自由に取れるという説明にはなっていません。印鑑提出者本人またはその代理人として手続きを進めます。
銀行提出用なら「法人のものか」「原本か」「何通か」まで依頼書と照らしましょう。証明書を入手した段階では、口座開設の審査や契約内容の合意まで終わったことにはなりません。書類を揃える作業と、提出先の審査・確認を分けて考えます。
※1出典:法務省「商業・法人登記 Q&A」(法務省・確認日 2026年10月12日)
会社設立の直後は、届出とカードの準備を先に点検

オンラインで会社設立を済ませ、印鑑はまだ届けていないという法人は、先に提出方法を検討します。未提出の印影について、証明書の請求書だけを出しても取得できません。手続きの順番が分からないときは、会社を登記した法務局へ、印鑑提出の状況から相談します。
印影の届出だけを後から行う場合は書面によります。オンラインでの印鑑提出はオンライン登記と同時に行う場合の制度で、印鑑の届出だけを単独で送信する方法ではありません。会社設立をオンラインで申請したことと、その後のすべての届出を同じ方法で出せることは別です。

会社設立を司法書士に依頼した場合は、完了書類の中に印鑑カードがあるか、交付申請まで依頼に含めたかを確認します。カードの交付も別の手続きなので、見当たらないだけで紛失と決めず、受領者と保管先をたどってください。
印鑑カードを使う請求方法ではカードが必要です。一方で、電子証明書を使うオンライン請求は準備が異なり、受取を窓口にする場合にはカードを提示します。会社設立直後の引継ぎでは、請求用と受領用に持ち物を分けたメモを作ると、持参するカードの漏れを見つけられます。
届書の書き方は印鑑届出書・登録、カードの申請は印鑑カード交付へ。証明書の請求書を、これらの届書として提出しないようにします。
参照資料:法務局「会社・法人代表者の印鑑証明書を取得したい方」
※2出典:法務局「よくあるご質問等<商業・法人登記関係>」(法務局・確認日 2026年10月12日)
窓口で書面請求するなら、申請書と印鑑カードを用意

登記所の窓口へ行く方法は、書面を用意して直接提出したい担当者に向いています。法務局が公開する「印鑑証明書交付申請書」を使い、印鑑カードも添えます。会社実印を持って行けばカードの代わりになる、という準備にはしません。
法人の印鑑証明書は、会社を登記した場所とは別の管轄の登記所でも取得できます。印鑑に関する届出の提出先とは区別してください。たとえば会社設立を行った本店の地域と、担当者の勤務場所が離れている場合、近くの登記所で証明書を請求する方法を検討できます。
書面請求の手数料は、必要な通数分の収入印紙を申請書へ貼って納めます。法務省の案内では登記印紙も使用可能です。切手は郵便物を送るために使います。交付手数料の支払に充てる収入印紙と混ぜないでください。別の支出を同じ欄へまとめて貼らないようにします。
証明書発行請求機の設置庁なら、その機械から請求する選択肢もあります。公式記載例の注記によると、請求機で申請書を作れる場合は用紙の記入を省略できます。操作の詳しい説明はオンライン請求・証明書発行請求機の分類へ進んでください。
会社設立後に初めて訪問する際は、返却されたカードも受け取り、証明書の通数と会社名をその場で確認します。手続きが終わったらカードだけを窓口に残して帰らないよう、提出物と返却物のメモを見直します。
参照資料:法務省「商業・法人登記 Q&A」 / 法務局「印鑑証明書交付申請書」記載例(PDF)
※3出典:法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式」(法務局・確認日 2026年10月12日)
申請書には印鑑提出者の情報とカード番号を記入

用紙には、商号・名称、本店・主たる事務所、印鑑提出者の資格・氏名・生年月日、印鑑カード番号、請求通数などの欄があります。会社設立の登記内容と現在の届出をもとに記入し、屋号や略称へ勝手に置き換えないようにします。印鑑カード番号の欄に、会社法人等番号を転記しない点にも注意が必要です。
| 記入する場所 | 照らす情報 |
|---|---|
| 商号・本店 | 法人の登記内容に対応する名称と所在地 |
| 資格・氏名・生年月日 | 印鑑を届けた人の情報 |
| 印鑑カード番号 | 使用するカードに記載された番号 |
| 請求通数 | 提出先ごとに確かめた必要数 |
| 申請人 | 本人か代理人かの選択と必要な記載 |
従業員が代理で取りに行くのに、上段の印鑑提出者の欄まで従業員の名前に変えるのは取り違えです。証明を受ける印鑑を届けた人と、窓口へ行く人を用紙の中で分けて書きます。生年月日についても、申請担当者のものを記入する欄と読み替えないでください。
公式様式の注記では代理人の委任状を不要としています。会社から取得を頼まれた代理人として請求する、という前提は変わりません。カードを持っていることだけを理由に、依頼のない証明書を取得してよいという意味にはなりません。
用紙の収入印紙欄には、割印をしないで貼る案内があります。印紙を貼った上から会社の印鑑を押す、という作業を追加しないようにします。証明書交付申請の用紙を、届出印を押すカード交付申請書と取り違えないことも確認点です。
支配人等に関する欄のように、請求内容によって記載が変わる場所もあります。一般的な代表取締役の記載例をあらゆる法人へそのまま写さず、自社の資格に合う書き方を登記所へ照会してください。記載例に載る架空の番号や氏名は、自社の情報に差し替えます。
※4出典:法務局「印鑑証明書交付申請書」様式(PDF)(法務局・確認日 2026年10月12日)
郵送はカードも同封するため、返却までの管理を決める

書面を郵送して法人の印鑑証明書を請求する場合も、カードの提出を省略できません。熊本地方法務局の案内は、通数分の収入印紙を貼った申請書、印鑑カード、返信先を記した切手付き封筒を同封する方法を示しています。発送前に、送付先の登記所の案内にも目を通します。
オンラインで請求した証明書を郵送で受け取る方法と、紙の申請書を郵送する方法は別です。どちらも最後に封筒が届きますが、最初に準備するものと手数料は同一ではありません。「郵送」とだけ引継ぎメモに書かず、請求自体は紙なのかオンラインなのかを明記します。

返信の郵送料は、通数、重さ、希望する送付方法などによって確かめます。会社設立直後に書類の送付が重なっている場合でも、別の封筒で使った金額を無条件に流用しないようにします。公式案内ではカードと証明書の送付に簡易書留等の扱いを勧めています。
カードが社外にある期間は、別の担当者が急に窓口請求へ出かけないよう予定を共有します。返却を受けた人はカードの所在を保管担当へ知らせ、法人の印鑑証明書とともに届いたものを一つずつ照合します。届かないときに問い合わせられるよう、発送の控えと請求内容を残しておきます。
※5出典:熊本地方法務局「会社・法人の代表者等の印鑑証明書の郵送請求について」(法務局・確認日 2026年10月12日)
オンラインは電子署名を準備し、受取方法まで選ぶ

本人によるオンライン請求には、印影を届けた人の電子証明書を準備し、電子署名を付けます。マイナンバーカードを使う手段も、法務局の案内に載っています。会社設立の登記をオンラインで頼んだ法人でも、自社で電子署名を行う環境が整っているかは、登記を依頼した代理人の作業とは別に点検します。
公式案内を確認した日付は2026年10月12日です。この時点では、かんたん登記・供託申請、または申請用総合ソフトが請求の入口です。使用する方法の操作ガイドで、電子署名のための準備と利用環境を確認します。証明書の情報を入力するだけで済む、と考えて電子証明書の準備を省かないようにします。
請求をオンラインで済ませても、交付されるのは紙の証明書です。PDFを取得して終わるものと取り違えないでください。指定住所への送付か、指定した登記所等での窓口受取を選びます。証明書を必要とする相手には、請求の送信完了ではなく、受領した原本をいつ渡せるかで予定を伝えます。

窓口受取では必ず印鑑カードを提示する案内です。また、オンラインで請求したものを窓口で受け取る場合も、収入印紙等で手数料を納めることはできません。納付情報等の印刷と記載事項について、利用した方法に対応する説明を読みます。
電子署名の準備、オンラインでの納付、受取の持参物を分けて点検し、担当交代の際にどこまで終えたかを共有します。画面操作の詳細はオンライン請求の分類にまとめます。
参照資料:法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」
※6出典:法務局「会社・法人代表者の印鑑証明書を取得したい方」(法務局・確認日 2026年10月12日)
手数料は請求と受取の組合せで確認する

法務省の手数料表では、2025年4月1日から、印鑑証明書は書面請求が1通500円、オンライン請求で送付を選ぶ場合が450円、オンライン請求で窓口交付を選ぶ場合が420円です。これは法人の印鑑証明書を交付してもらう料金です。会社設立の登記に係る税額や印章の購入代金と合算した額を示しているのではありません。
| 請求方法と交付方法 | 1通の交付手数料 | 3通の計算例 |
|---|---|---|
| 書面で請求 | 500円 | 1,500円 |
| オンラインで請求・送付 | 450円 | 1,350円 |
| オンラインで請求・窓口交付 | 420円 | 1,260円 |
上の計算は、同じ方法で3通を取得するという例です。交通費、紙の申請書を送る費用、郵便で返送してもらう場合の必要な費用など、交付手数料以外の支出とは分けます。最も安い欄だけを見て決めず、電子署名の準備や受取に出向ける人も考慮してください。
会社設立の直後は、法人の印鑑証明書と登記事項証明書を同時に手配することがあります。公式の料金表を読む際も、それぞれの欄を参照します。まとめて依頼された場合には、書類の種類と通数の組を先に書き出し、それぞれの額を合計します。
オンライン請求で送付を選ぶ際の手数料には送付費用が含まれます。ただし、書留・簡易書留・速達を希望する場合は、その実費が加算される案内です。紙の郵送請求で返信用切手を準備する扱いと、同じ計算にしないでください。
旧い案内を保存している法人では、金額が現在の公式表に合うかを見直します。取得を依頼した人へ精算するときも、証明書代と郵送料を分けた記録があれば、他の書類の取得費を誤って計上していないかを照合できます。
参照資料:法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)」
※7出典:法務省「登記手数料について」(法務省・確認日 2026年10月12日)
まとめ:請求完了ではなく、受取と提出までを一続きに

会社設立後の法人印鑑証明書は、届出の状況を確かめ、必要な書類名と通数を決めたうえで請求します。紙の窓口請求、書面の郵送、電子署名を使うオンライン請求では、同じ「取得」でも準備する物が変わります。
- カードを利用する手続きでは、番号の控えだけで済ませない
- 書面の代理請求と、カード交付の代理申請の委任状を混同しない
- オンライン請求は、納付と受取の説明まで読む
- 証明書を受領したら、法人名・通数と提出先の条件を見直す
- 借りたカードを保管担当へ返し、返却記録を残す
提出用の原本を別の社内ファイルに紛れ込ませないよう、受取時に提出先ごとへ振り分けます。必要な発行時期や原本の扱いは相手先の条件で確認し、余ったものを後日使えると決めつけないでください。会社設立の後に予定が変わったら、取得済みの証明書を使う前にもう一度条件を読みます。
印鑑そのものの役割から整理したいときは、代表者印と実印へ。取得を機に保管担当と提出予定を決め、会社の印鑑を扱う人の間で書類の所在を共有します。
※8出典:法務局「登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式」(法務局・確認日 2026年10月12日)
「法人の印鑑証明書、何通、いつまでに、どの条件で」という依頼内容を一枚にまとめます。そのうえで請求・受取・カード返却の担当を決め、受領した原本を提出先へ届けるところまで予定に入れましょう。

