会社設立の印鑑の値段相場|1本・3本セットの幅と、値段を動かす5つの条件

この記事で扱う印鑑
- 代表者印
- 銀行印
- 角印
- 印鑑ケース
- 会社設立の準備で、印鑑にいくら用意すればよいか見当がつかない人
- 通販の数千円のセットと、印章店の数万円の見積もりを見比べて戸惑っている人
- 値段の差が素材なのか彫り方なのか、理由を知ってから選びたい人
特定の店の値段は載せていません。複数の解説記事に出ている「幅」と、その幅がどんな前提で出ているかを並べています。
会社設立の印鑑を調べると、単品とセット、木材と金属、校正付きと校正なしが同じ検索結果に並びます。値段だけを見て平均を取っても、自分の法人で必要な注文の予算にはなりにくいものです。まず何の価格かをそろえ、解説記事の相場は検討の入口として読みます。
道具そのものは印章、紙に押した跡は印影といいます。ここでは普段の呼び方に合わせて印鑑と記します。法人の代表者印を法務局へ提出したものが会社実印・届出印で、銀行印・日常用の角印・住所用のゴム印を一式購入する義務はありません。
会社設立の登記をオンラインで行う場合は印鑑提出が任意ですが、紙の委任状を付ける場合など例外もあります。書面で申請する場合と区別して、必要な道具を選びます。本文は2026年10月12日に確認した解説の価格目安と、実際の見積もりで確かめる点を扱います。
参照資料:法務省「商業登記規則が改正され,オンライン申請がより便利になりました(令和3年2月15日から)」
会社設立の印鑑の値段は「素材・本数・彫り方・形・購入先」で決まる

法人の印鑑の購入代金は、登記の手数料のように一律の金額ではありません。本体の仕様と注文に含まれるサービスで変わります。会社設立の見積もりを読むときは、次の条件を一つずつ確かめます。
- 素材
- 木材、角材、金属など。材料名だけでなく製品の仕様を見る
- 本数
- 代表者印、銀行印、角印、住所印など、セットの内訳を確認する
- 彫刻
- 字入れ、荒彫り、仕上げなどの工程と、注文前の校正を確認する
- 形・大きさ
- 持ち手の形、印面の寸法、長さが同じかを見る
- 注文方法
- 店頭とオンラインの違いに加え、相談・校正・配送が含まれるかを確かめる
印鑑を法務局に届け出る際は、規定の寸法に加え「照合に適する」ことが必要です。購入価格の高低で登録の扱いが優遇されるわけではありません。一方、値段だけを見て「安い製品でも必ず受け付けられる」と保証できるものでもないため、完成した印面を確認します。
だからこそ、値段は「使い方に見合うか」で決めるものになります。押す回数が多いか、何年使うつもりか、誰が保管するか。その答えが、どの条件にお金をかけるかの順番を決めてくれます。
参照資料:商業登記規則|e-Gov 法令検索
※1出典:弥生株式会社「法人登記に必要な印鑑の種類は?作っておくべき会社の実印を解説」(弥生株式会社・確認日 2026年10月12日)
相場の幅を前提つきで並べる:1本・3本セット・購入先別

以下は2026年10月12日に原文を確認した解説記事の目安です。販売店から同日に集めた見積もりや、市場全体の統計ではありません。会社設立で実際に注文するときは、その時点の税込総額と仕様を別に確認します。

保田会計事務所の解説は、代表者印・銀行印・社印のセットについて1万円〜3万円程度としています。Squareの起業向け記事は、実店舗で作る代表者印1本を、素材によって5,000円〜20,000円の目安としています。同じ「印鑑代」でも本数が違うため、二つを足したり平均したりして会社設立の標準額とはしません。
一般社団法人の設立費用を扱うISVDの解説には、通販の柘植・アカネなどの3本セットを5,000〜10,000円とする表があります。これは法人の種類も含めて別の文脈の参考値です。この金額の中に、自分が希望する寸法や校正、ケースがすべて入るとは限りません。
店頭か通販かという違いだけで、どちらが安いと決めないことも大切です。文字配置の相談、注文前の印影確認、修正回数、受け取り方法などをそろえて比べます。対面なら必ず校正が付く、通販なら相談できないという関係でもありません。会社設立の日程が迫っている場合は、料金だけでなく校正の回答期限も確認します。
会社設立で最初に概算を置く段階と、注文を確定する段階を分けると、相場の数字を使いやすくなります。概算は候補を探すための予算枠です。実際の印鑑の仕様が決まったら、見積もりの有効期限や追加費用を確認し、その金額で予算を更新します。以前読んだ記事の上限を超えたという理由だけで、不当に高いと決めないようにします。
参照資料:保田会計事務所「会社設立に必要な印鑑の種類と役割を解説」 / Square 起業ガイド「代表者印とは?4つの種類と役割、作成方法、印鑑登録」
※2出典:一般社団法人 社会構想デザイン機構「設立費用の全内訳: 法定費用・専門家報酬・実費を徹底解説」(一般社団法人 社会構想デザイン機構・確認日 2026年10月12日)
素材の違いを、値段だけの順位にしない

会社設立で検討する印鑑には、柘植などの木材、黒水牛などの角材、チタンなどの金属があります。素材を変えると見積もりが変わることがありますが、値段に最も影響する項目が必ず素材だとは限りません。文字数、寸法、加工、セット内容が違えば比較の前提も変わります。

たとえば「チタンだから何十年も買い替え不要」「木材だから重要な印鑑には使えない」とは判断できません。法人の届出印で大切なのは、完成した印面を照合できる状態で使うことです。水洗いの可否も、材料名だけでなく装飾や別素材の部品を含む完成品の説明で確認します。
会社設立の印鑑を同じ素材でそろえるか、用途ごとに変えるかは任意です。銀行印にも取引上の重要な役割があるため、単に押す回数が少ないから品質確認を省く、という予算の削り方は避けます。必要な本数と仕様を先に決め、使わない印を省く方が判断しやすいでしょう。
素材ごとの特徴をもっと詳しく比べたいときは、素材(黒水牛・チタン・柘植)の分類にまとめています。
※3出典:freee「会社設立時に必要な印鑑とは?種類や選び方・購入方法を解説」(freee株式会社・確認日 2026年10月12日)
手彫りと機械彫り:同じ素材でも値段が変わる理由

彫刻の方法や文字の設計も確認します。機械を使う工程と人が行う工程を、注文先がどのように説明しているかを読みます。「手彫り」「手仕上げ」といった短い表示だけで、金額や仕上がり、納期を推定しないようにしてください。
厚生労働省の技能検定活用事例には、注文者の要望を聞いてから彫る印章製作の事例が掲載されています。手作業の印影に価値を見いだす考え方が紹介されていますが、これは市場全体の料金調査ではありません。法人の印鑑の見積もりでは、自分が依頼する工程と価格を個別に確認します。
工程を質問するときは、文字の配置を誰が決めるか、見本の確認はどの段階か、校正後に変更できる範囲はどこまでか、と分けて聞くと整理できます。会社設立の商号に英字や旧字体がある場合も、希望した字形が製作できるかを先に確かめます。技能資格の有無と、注文内容の確認は別の項目です。
| 確認項目 | 注文先に聞く内容 |
|---|---|
| 字入れ | 文字の配置と字形をどう確定するか |
| 彫刻・仕上げ | どの工程を機械または手作業で行うか |
| 校正 | 確認できる見本、修正回数、確定期限 |
| 納期 | 校正確定から出荷・受取までの予定 |
急ぎでも、機械彫りなら必ず即日、手作業なら必ず長納期とは限りません。受注状況や校正の往復で変わります。会社設立に必要な日を伝えて確認し、特急対応や校正変更に追加料金があるなら総額へ入れます。作成の日数の分類も確認してください。
※4出典:厚生労働省 技能検定活用事例「人や企業の「個性」を彫り込む技能士の腕」(7-34 公印堂印舗・印章彫刻)(PDF)(厚生労働省・確認日 2026年10月12日)
サイズ・形・本数で値段はどこまで動くか

同じ商品名でも、印面の寸法や持ち手の形が違えば、比べている仕様は同じではありません。会社設立の見積もりでは、代表者印と銀行印、角印の寸法を別々に記録します。届出に用いる印鑑には、商業登記規則の次の寸法条件があります。
印鑑の大きさは、辺の長さが一センチメートルの正方形に収まるもの又は辺の長さが三センチメートルの正方形に収まらないものであつてはならない。
持ち手には天丸や寸胴と呼ばれる形がありますが、その形だけで価格差が一定になるわけではありません。同じ素材・寸法でも製品の価格設定を確認します。押しやすさやケースへの収まりも見ながら、法人で使う場面に合うものを選びます。

セットで割引がある場合も、必要な本数がそろっているかを先に見ます。4本目が住所印とは限らず、認印などの製品もあります。使わない印鑑のために代金を増やすより、必要な単品と付属品の総額を出して比較します。会社設立で何本用意するかは、3本セットと4本セットの分類でも整理できます。
本数を減らして兼用する場合は、購入額だけでなく使用者と保管場所も変わります。代表者印と銀行印を同じ一本にするなら、銀行の条件を確認し、担当者へ貸し出す場面も想定します。法人の資金に関わる道具なので、会社設立時の節約額と管理のしやすさを合わせて判断してください。
※5出典:商業登記規則|e-Gov 法令検索(e-Gov(デジタル庁)・確認日 2026年10月12日)
安価な印鑑でも、確認する項目は同じ

安い印鑑だから一律に法人の取引に使えない、というわけではありません。法務局の印鑑の条件は価格の下限を定めていません。会社設立で安価な候補を選ぶ場合も、寸法や彫刻、仕上がった印影を確かめるという基本は変わりません。
反対に、価格が低いだけで素材の質が悪いとも断定できません。不安があるときは、製品仕様、校正、到着後の不具合への対応を確認します。代表者印に傷が付いて照合しにくくなれば改印などの対応を考えますが、その可能性は高価な品物でもなくなるわけではありません。

高い代表者印のほうが、取引先から信用されますか?
価格の高さが会社の信用や契約意思を証明するわけではありません。必要な書類と押印権限を確認し、求められる場面では印鑑証明書などを用います。
設立後に別の素材へ替えられますか?
替えられますが、届出印なら法務局や金融機関など用途ごとの変更を確認します。新しい本体の代金だけでなく、届出先を確認する時間も見込みます。
法人の銀行印も重要な道具です。代表者印だけに予算を寄せることを一律の正解にはせず、それぞれの使用条件と管理方法を考えます。日常の角印でも、取引先の書類に必要な文字が明瞭に写るかを見ます。会社設立でそろえる道具全体を、値段と実用性の両方で点検してください。
※6出典:商業登記規則|e-Gov 法令検索(e-Gov(デジタル庁)・確認日 2026年10月12日)
印鑑代のほかにかかる小さなお金と、経費の扱い

法人の印鑑証明書を取得するなら、その手数料も印鑑本体とは別に見込みます。法務省の手数料案内では、書面請求は1通500円、オンライン請求で送付を受ける場合450円、オンライン請求で窓口受取の場合420円です。2025年4月1日改定後の金額で、必要な通数と受取方法によって合計が変わります。
会社設立前に買った印鑑は、支払日、用途、内訳、支払った人が分かる記録を残します。法人の帳簿での処理は支出の性質によって確認が必要です。領収書だけで判断せず、注文書や明細も保管し、経費・勘定科目・創立費の分類で整理するか、税理士に相談します。
ケースや清掃用品など、本体の価格に含まれないものも確認します。すでに使える用品を持っているなら重ねて買う必要はありません。会社設立の印鑑予算として、注文時の総額と、証明書の取得など後日必要になる費用を別の欄にしておくと管理しやすくなります。
会社設立前に買った印鑑の代金を帳簿でどう扱うかは、少し考える余地があります。法人税法施行令は、法人の設立のために支出する費用で法人の負担に帰すべきものを「創立費」と定めています。また、取得価額が10万円未満の資産は、事業に使い始めた事業年度に損金経理をすれば損金に算入できる、という規定もあります(同令133条)。ただ、印鑑代をどちらで処理するかを国税庁が明記した原文は確認できていないので、実際の勘定科目は顧問の税理士と相談して決めてください。詳しい考え方は経費・勘定科目・創立費の分類に譲ります。
設立費用の全体の中では、印鑑代は大きな項目ではありません。全体の内訳は会社設立費用を扱う姉妹サイトのテーマなので、ここでは印鑑まわりの小さなお金を見落とさない、という点だけ押さえておけば十分です。
※7出典:法務省「登記手数料について」(法務省・確認日 2026年10月12日)
まとめ:相場を入口に、必要な仕様の総額を確かめる

会社設立の印鑑の相場として示される金額は、単品かセットか、素材や購入条件が何かによって違います。解説元の価格帯は検討の入口にし、自分が注文する印鑑の仕様と支払総額を確かめます。法人の届出では価格よりも、寸法や照合できる印面を確認することが必要です。
- 相場の数字には解説元と確認日、本数などの前提を添えて読む
- 素材や価格だけで耐久性・登録の可否を決めない
- 彫刻工程、校正の条件、受取予定を注文前に確かめる
- 銀行印も重要な用途として品質と管理を確認する
- 送料・付属品・必要な証明書の費用を本体と分けて考える
会社設立の見積もりを二つ以上比べるなら、条件の違う行をまず見つけます。その差に自社で必要な内容があるかを考えれば、安さだけにも高級感だけにも偏らずに選びやすくなります。
※8出典:保田会計事務所「会社設立に必要な印鑑の種類と役割を解説」(保田会計事務所(税理士事務所)・確認日 2026年10月12日)
値段の比較で迷うのは、比べる条件がそろっていないときです。代表者印は何の素材にするか、銀行印は兼ねるか分けるか、急ぐか急がないか。この三つを先に書き出してから相場の幅に当てはめてみてください。その一行があれば、数千円のセットにも数万円の見積もりにも、落ち着いて向き合えます。

