会社設立の印鑑は3本セットか4本セットか|4本目の中身は店で違う、選ぶ前の確かめ方

この記事で扱う印鑑
- 代表者印
- 銀行印
- 角印
- ゴム印
- 個人の印鑑
こんな迷いを抱えている方へ
- 会社設立の印鑑を3本セットにするか4本セットにするか、決め手が見つからない人
- 4本セットの説明を読み比べて、4本目の中身が店ごとに違うことに戸惑っている人
- セットの値段の差を、素材や付属品などの条件で比べたい人
商品の順位づけは行わず、セット構成と、見積もりを比べるための確認点を扱います。
会社設立向けの印鑑を探すと、3本セットと4本セットという呼び方が見つかります。ここで気をつけたいのは、本数が同じでも中身が一致するとは限らないことです。4本目に住所を記載するゴム印を含むものと、会社認印を含むものでは、用途が変わります。
まず、印鑑と呼ぶ道具そのものは印章、押した跡は印影です。代表者印のうち法務局へ提出したものが会社実印で、提出先に対する届出印となります。銀行印は金融機関に届ける印です。銀行印・角印・ゴム印の作成は任意であり、法人の設立に3本や4本を買う義務があるわけではありません。
オンライン登記では印鑑提出を任意とする扱いがありますが、紙の委任状を添える場合などは別に確認が必要です。申請方法と設立後の取引から必要な印鑑を考えたうえで、セットでそろえるかを判断します。4本目を使う人と書類が具体的に決まっているかが、比較の入口です。
3本セットの中身と、登記用の印鑑の条件を分けて確認する

会社設立の解説で紹介される3本セットの例は、代表者印・銀行印・角印の組み合わせです。商品の本数表示を見て、その3本が当然に含まれていると思い込まず、注文する仕様を確かめてください。それぞれの用途と登録先は異なります。

法務局へ提出する印鑑には、商業登記規則9条3項の寸法条件と、同条4項の照合に適するという条件があります。寸法は、1cm四方に収まるほど小さいものを除き、3cm四方に収まることが必要です。直径の大小だけであらゆる形を判断するのではなく、正方形へ収まるかという規定の読み方を確認します。銀行印や日常用角印を、この登記用の寸法に一律に合わせる話ではありません。
銀行印と角印を別に作るかは、利用する口座や書類に合わせて決めます。会社実印を銀行印と兼用するか、分けて保管するかという選択もあります。オンライン申請の任意扱いを使った場合でも、あとで法人の印鑑証明書を求められる取引があれば、印鑑の提出を検討します。こうした予定を先に確認してから本数を決めると、使わない印を買い足すことを避けやすくなります。
3本の大きさは「見分けがつく順」にそろえる
| 印鑑 | 解説で示されるサイズ例 | 確認する条件 |
|---|---|---|
| 代表者印 | 直径18mmの丸形 | 1cm角に収まらず3cm角に収まるなど |
| 銀行印 | 直径16.5mmの丸形 | 金融機関の受付条件 |
| 角印 | 一辺21mmや24mm | 日常用なら書類の余白と指定欄 |
丸い2本に寸法差を付けるのは、区別の手掛かりの一つです。サイズの順序をそろえること自体に法的な意味があるわけではありません。会社設立で同じ形・素材の印鑑を選ぶ場合にも、ケースへ用途名を付け、使う前に確認する方法を決めておきます。
参照資料:弥生株式会社「会社設立時に必要な印鑑は?代表印(実印)などの種類や用途を解説」 / 法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)」
※1出典:商業登記規則|e-Gov 法令検索(e-Gov(デジタル庁)・確認日 2026年10月12日)
4本目は「ゴム印」とは限らない:店ごとの違い

マネーフォワードの会社設立の解説は、4点セットを3点にゴム印を加える構成として紹介しています。一方、製品仕様には、会社実印・銀行印・角印に認印を加えて4本とするものもあります。本数の呼び方を共通の規格と考えず、内容欄を読む必要があります。

本記事では、4本目が認印となる公式製品仕様も確認しています(2026年10月12日)。これは販売先を推奨するためではなく、「4本だから必ず住所印も届く」という誤注文を防ぐための確認です。住所印が必要な法人が認印入りのセットを選ぶと、住所を書く道具は別に用意することになります。
セットを選ぶ前に、商品説明の「セット内容」の欄を一行ずつ読み、4本目が何で、どんな大きさか、ゴム印なら何段の組み合わせかを確かめる。値段を比べるのはそのあとです。会社設立の準備で慌ただしいときほど、この一手間を飛ばしがちになります。
もう一つ見落としやすいのが、印鑑以外の付属品です。印鑑ケース、朱肉、捺印マットが付くかどうかで、同じ「3本セット」でも値段が変わります。ケースを別に買うつもりなら付属品なしの安いセットで足りますし、何もそろっていないなら付属品込みのほうが手間は省けます。値段だけを横に並べる前に、付属品の有無もそろえて比べるのが公平です。
※2出典:マネーフォワード クラウド会社設立「法人印鑑(会社印鑑)の種類と作り方」(株式会社マネーフォワード・確認日 2026年10月12日)
会社認印が4本目のとき:角印と何が違うのか

会社認印という呼び方は、日常の確認や受領に使う会社の印について用いられます。小さな丸形の製品もありますが、形や寸法だけで認印の法的な効果が決まるわけではありません。セットに含まれている場合には、誰がどの書類へ押すかを社内で決めてから渡します。
使い道だけ見ると角印と重なりますが、役割を分ける考え方もあります。角印は請求書や見積書など社外に出す書類の「会社の顔」、会社認印は社内や受け取りの確認用、といった線引きです。角印を持ち歩かずに済むので、角印の持ち出しを減らしたい会社には意味のある1本になります。
会社認印なら押印の責任が軽いと考えることはできません。政府の押印Q&Aは、所定の成立の推定が実印だけでなく認印にも働き得ることを説明しています。他方で、押印だけで会社の意思や文書内容の正しさが保証されるわけではありません。受け取りの確認であっても、どこまで認める記載なのかを読んでから使います。
- 日常用の角印
- 会社名で発行する書類などに用いる運用例
- 会社認印
- 受領や社内の確認に範囲を決めて使う運用例
- 代表者印
- 会社実印としての押印が必要な提出条件などに対応
書類が少ない法人なら、独立した会社認印を用意せずに運用できる場合もあります。ただし、角印があれば常にすべてを代用できるということではありません。会社設立の時点で押印が要る書類と担当者を洗い出し、4本目を管理する理由があるかを考えてください。
※3出典:内閣府・法務省・経済産業省「押印についてのQ&A」(令和2年6月19日)(内閣府・確認日 2026年10月12日)
ゴム印が4本目のとき:段数と組み合わせを見る

ゴム印を含む場合には、一体型か、行を分けて使える組み合わせ式かを確かめます。シヤチハタの解説でも、住所印は会社名や所在地などを記載する道具として説明され、必要な行を組み合わせて使う方式が紹介されています。セットの名称だけでは、印面の項目や構造までは分かりません。
段数と文字数の上限も確認します。3段に住所・社名・電話を入れる例、4段で代表者名も加える例が考えられますが、各段の内容が本数で自動的に決まるわけではありません。長い住所を二行にするなら必要な段数も変わります。自署指定の欄へゴム印を代用することはできないため、押す予定の用紙も確認してください。
- 段数(3段か4段か)と、各段に入れる文字数の上限
- スタンプ台で押すゴム印か、インク内蔵の浸透印か
- 印面の大きさが、よく使う申込書の記名欄に収まるか
- スタンプ台やケースなどの付属品が入っているか
会社設立の直後は、電話番号やウェブサイトのアドレスがまだ決まっていないこともあります。セットのゴム印を注文する時点で情報がそろっていないなら、4本目は後から単品で買う、という選び方も十分ありです。住所印の決め方は、ゴム印 住所印の分類で詳しく扱っています。
※4出典:シヤチハタ公式メディア「住所印(住所スタンプ)とは?活用のメリットと作成のポイント」(シヤチハタ株式会社・確認日 2026年10月12日)
4本目を使う場面があるか、業務と管理から判断する

セットの説明を読む前に、会社設立後に手書きする書類や、受領の確認をする場面を挙げてみます。住所印で記載を減らしたいのか、日常の押印を別の担当者へ任せたいのかで、追加する一本は変わります。最初から3本または4本だけの二択にせず、必要な種類と本数を決めてから購入方法を比べます。

たとえば、記入を電子化している法人では住所印を使う機会が少ないかもしれません。逆に、用紙へ同じ会社情報を何度も手書きしているなら、その作業をまとめられる利点があります。これは編集部による利用場面の例であり、特定の業種なら必ず何回使うと見積もったものではありません。自社の用紙を見て判断してください。
必要になってから単品で足す方法もあります。日常用の未登録のゴム印や認印を増やすだけなら、法務局へ代表者印を改めて提出する手続きとは別です。ただし銀行で署名判として使うなど、取引に伴う届出がある場合はその条件を確認します。4本目なら届出が絶対にないとは考えないでください。
合同会社でも3本や4本のセットを選べますか?
種類の組み合わせは用途から決められます。代表者印へ刻む役職は、株式会社と同じ名称をそのまま入れず、自社の会社形態と役職に合わせて校正してください。
代表者印だけ先に作れますか?
先に必要なものだけを作る方法もあります。紙の申請や委任状に伴う届出の時期を確認し、銀行印や角印は各取引で必要になるかを別に確かめて準備します。後から追加しても素材や書体を全部そろえる義務はありません。
※5出典:弥生株式会社「会社設立時に必要な印鑑は?代表印(実印)などの種類や用途を解説」(弥生株式会社・確認日 2026年10月12日)
価格は素材・製作・付属品の条件をそろえて比べる

セット価格の差を本数だけで判断すると、比較する条件がずれます。3本でも素材や仕上げが異なれば、4本より高くなる場合があります。会社設立で見積もりを取る際は、印鑑そのものの仕様と、保管や押印に使う付属品を分けて記録してください。

価格の安い順に並べても、同じ価値を比べたことにはなりません。木材、角の素材、金属のいずれにも製品差があり、素材名だけで寿命や使いやすさは確定しません。製作も、手彫りと表記される範囲や、機械加工後に手で仕上げるかを確認します。高価なら自動的に登録しやすい、安価なら使用できない、という関係ではありません。
- 手彫りなら法務局への提出で有利ですか?
- 製作方法の名称だけで扱いが決まるわけではありません。寸法や照合の適性など、提出する印鑑としての条件を満たす必要があります。商品仕様と受領後の印影を確認してください。
- 4本セットの方が必ず割安ですか?
- 必要な単品をそろえた場合の合計と、同じ条件で比較します。使わない一本や重複する付属品を含めて安く見せないよう、実際に必要な内容へそろえて考えましょう。
送料、校正の回数、訂正時の追加料金も注文前に確認します。3本と4本の差額に一律の相場を当てはめず、いま提示されている価格と条件で判断してください。会社設立でほかの備品も購入するなら、印鑑と保管用品を合わせた予算を決めておくと比較しやすくなります。価格を比べる観点は値段と相場の分類でも扱います。
※6出典:freee「会社設立時に必要な印鑑とは?種類や選び方・購入方法を解説」(freee株式会社・確認日 2026年10月12日)
セットを注文する前にそろえておく情報

3本でも4本でも、注文の前にそろえる情報は共通です。いちばん大事なのは、印面に彫る商号の確定です。類似の商号の確認や定款の内容が固まらないうちに注文すると、作り直しの可能性が残ります。
- 商号と刻印内容を校正
会社形態や役職も確認 - 代表者印の提出条件を確認
寸法だけでなく照合の適性も - 4本目と付属品を確認
ゴム印か認印か、段数など - 必要な納期を決める
申請方法と取引の予定から逆算 - ゴム印の情報を確定
使う住所・連絡先を選ぶ
法務省の案内は、オンライン登記と、申請書や委任状を紙で出す場合を区別しています。QRコード付き書面申請も紙の申請に含まれます。オンラインという名称だけで代表者印が要らないと判断せず、どの書類をどの方法で提出するかを確認してください。印鑑が必要な提出日が決まったら、校正や配送も含めて間に合う納期かを確かめます。
ゴム印を含める場合も、すべての情報が決まらないまま空欄を埋めて注文しないでください。変更予定のある行を後で足せるか、未確定の情報だけ外せるかを確認します。会社設立全体の段取りは「流れ」のテーマですが、印鑑の注文では、必要な用途、刻印する文字、提出条件、納期を対応させておくと進めやすくなります。
※7出典:法務省「オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)」(法務省・確認日 2026年10月12日)
まとめ:3本か4本かは、4本目の中身と出番で選ぶ

会社設立向けの3本・4本という表示は、法定の必要本数ではありません。代表者印・銀行印・角印の組み合わせや、追加するゴム印・認印の中身を確認し、自社が使う分だけを選びます。
- 本数とセット内容、付属品を分けて読む
- 4本目の用途と使う担当者を決める
- 紙の作業量や社内承認の方法から必要性を判断する
- 価格は素材・寸法・製作・送料などをそろえて比較する
- 追加の印に届出が関係するかは、登録先と用途で確認する
セットは便利ですが、使わない1本が入っていれば、それはただの在庫です。会社の最初の一年に、どんな書類を何枚扱いそうか。そこを思い描いてから選べば、3本か4本かの答えは自然に出てきます。
印鑑の種類ごとの役割は種類 何本、素材の違いは素材 黒水牛 チタン 柘植の分類にまとめています。
※8出典:マネーフォワード クラウド会社設立「法人印鑑(会社印鑑)の種類と作り方」(株式会社マネーフォワード・確認日 2026年10月12日)
カートに入れる前に、「セット内容」の欄をもう一度
4本目がゴム印なのか認印なのかを読み、その一本を使う書類と担当者を書き出してみてください。必要な用途が見当たらなければ、追加を急ぐ理由はありません。本数に合わせて仕事を増やさず、会社設立後の運用に合う構成を選びましょう。
この記事のキーワード3本セット

